クスノキは税理士試験には合格したけど、会計業界は未経験。しかも転職活動をしたときは45歳を過ぎてました。
SEを辞めて会計事務所へ転職することを決めていたとは言え、ちゃんと転職できるのか不安を覚えます。
この記事では、そんなクスノキが無事に転職できたときの体験談を踏まえて、転職の注意点もお伝えします!
職歴は?ほとんどSE。数年間だけ経理
クスノキは純粋に理系です。
高校・大学・大学院と理系。大学・大学院の研究室もコンピュータ専攻で入り浸り生活でした。
入社してからも、有名SIerの従業員にも関わらず、ガッツリ現場。開発リーダを務める傍ら、プログラムも書いて、いわゆるプレーイングマネジャーです。
そんなSE時代でしたが、あるとき、SEを辞めることを決心して、税理士試験を目指しました。
合格した後、会計事務所への転職活動を行いましたが、その頃は全く転職市場が活況ではなく、転職を断念しました。そんなわけで、SEを継続しました。
2.5年ほど子会社の経理を経験した以外、全てはSEとしての職歴ですね。
資格は?実務経験ないけど税理士試験には合格
資格は前述の税理士試験をはじめ、いろいろと合格していました。
本業だったIT関連の資格はもちろん、税理士試験で学んだことを忘却しないため・知識を拡大するために、多くの資格を受験していました。
会計関連だと、税理士、会計士、簿記、FPあたりに合格していました。
どうやって転職した?転職エージェントを利用
会計業界はクスノキにとって未知でした。
だから転職エージェントを積極的に利用しました。
転職エージェント利用(1回目・転職断念)
実際に転職したのは45歳すぎ。転職エージェントを利用しました。
エージェントは、その前にも利用していて、税理士試験に合格した直後。35歳の頃です。
当時、顧客常駐先が福岡でしたので、福岡に住んでいました。「当時」というより、入社以来ずっと、同じお客様にお世話になっていました。
福岡で住むこと自体に不満はなかったので、福岡での転職を模索しました。仕事しながら、東京で転職活動するのも難しかったですし。
それまで転職活動をしたこともありませんし、検討したことさえありません。
その頃、すでに転職サイト(リクナビNEXT、DODAなど)は有名でしたが、転職サイトは自分自身で能動的に求人情報を取捨しないといけません。
今後を決めるわけですから、当然、能動的に動く必要があります。とは言え、会計業界の知見が全くありません。どうやって選ぶのか、判断基準が全くありませんでした。
そこで、利用したのが転職エージェント。具体的にはリクルートエージェントです。当時、福岡にもあったので、利用させてもらいました。
転職エージェントでは、アドバイザーが個別に相談対応してくれることがメリット。話すことで、自ずと整理できることもたくさんありますから。
また、転職サイトも同様とは思いますが、webサイトにて多数の充実したノウハウを提供しています。履歴書・職務経歴書の書き方をはじめ、面談への対応やら。
当時のアドバイザーには親身に対応して頂きまして、すごくありがたかったことを覚えています。
ただ、残念なことに、当時は転職市場が活況でないとき。東京は違ったかもしれませんが。
当時、35歳・未経験が福岡の会計事務所に転職した場合、年収300万円が相場でした。年収300~350万円の求人情報が多かったですね。
もちろん、35歳・未経験の身なので、現職の年収を期待しているわけではありませんが、さすがに半分にも及ばないとなると断念せざるを得ませんでした。
転職エージェント利用(2回目・転職断念)
40歳手前の頃だったでしょうか。1回目と同じく、福岡のリクルートエージェントを頼ってみました。
このとき、前回のアドバイザーは退職されていて、別の方が新しい担当に。
ただ、この担当者が前回の人とはちがって、全然やる気がない。
今になって思えば、わかる気もします。40歳手前・未経験を転職成功させる確率と、成功報酬の額とを勘案すると、割に合わなかったんでしょう。
でもね。
露骨に態度に出てる人でした。やんわりと断る対応の仕方ってあると思うんですよね。。
2回目は十分に転職市場を確認することもできず、転職を断念しました。
転職エージェント利用(3回目・実際に転職)
3回目は45歳過ぎ。正確には46歳だったはず。
40歳を過ぎてから45歳で退職することを決めていました。更には将来の独立も踏まえて、コネクションを広げられそうな診断士やFPを勉強したり。
ちょうど45歳になったとき、辞めにくいプロジェクトを担当していました。落ち着いた頃合いでようやく退職。
今回は本気の転職活動。このときは東京に異動していたこともあり、地域的なデメリットもありません。
転職エージェントは、一社に限定せず、評判の良さそうなエージェントを5社ほど登録したと思います。
ここで最初の問題が。
1社目に超大手の有名どころを選択していたのですが、回答は、お祈り。「貴方に相応しい求人をご案内できません。」というような内容だったかと。
この時点では「ヤバい!」と思いましたね。過去の活動より年齢を重ねてますし、未経験ですし。
でも杞憂でした。
他のエージェントからは、お祈りされることもなく、多数、求人情報を案内してくれました。
その中から複数の候補を選択して、面談に臨み、無事に採用が決まりました。
あっけなく転職活動が完了したわけです。
転職エージェント利用(4回目・実際に転職)
また、3回目の1.5年後あたりに利用させてもらいました。
転職先1社目は、それなりに大きい法人をクライアントに持っていました。また、社内のレビュー体制も整理されていました。
お陰で、短期間で一通りのスキルを習得することができました。少し殺伐とした雰囲気はあったものの、未経験にも関わらず経験を積めて感謝する部分が多くありました。
ただ、ちょっと事情があって、転職することに。
このときも、5社程度の転職エージェントに登録しました。そして、今回もあっさりと活動は完了しました。
転職の注意点は?
クスノキの体験を踏まえて、転職の注意点を。当たり前すぎる内容も含んでいますが、念のために記します。
転職市場の活況の程度
当たり前ですが、その業界の需給を判断することは必要ですよね。
クスノキの場合、35歳当時と45歳当時とでは、転職に関する世間の見方が全く変わっていました。
45歳当時の方が、圧倒的に転職市場が開けていて、人手不足が世間で叫ばれていることもあって、転職活動を円滑に進めることができました。
もし、需給が同じ状況だったら、45歳より35歳の方を選びますよね。それだけ市場の状況は重要です。
転職できるとしても、市場が活況であれば、より好待遇が待ち受けているかもしれないわけで、タイミングには十分に注意したいですね。
転職後のギャップ
また、転職市場が活況で、実際に転職できたとして、転職後のギャップに悩むこともあります。
転職前の職場とのギャップを感じたり、面接で感じていたこととのギャップだったり。
もちろん面接で十分に確認することも必要ですけど、現実には限界がありますよね。求職者が採用する側のことを根掘り葉掘り尋ねることなんてできません。
初めての転職であれば、ギャップを感じることが普通と捉えることが大事です。
転職前の職場の方が実はおかしかった部分もあるでしょう。転職先がおかしい部分は、柔らかく改善を促せばいいでしょう。
度重なる転職
SE業界は人月商売なので、「人さえ顧客先に放り込めばOK」という会社が多数ありました。教育とかサラサラやる気もありません。
ダメな会社が多いので、人の流動性が激しくなるわけです。
驚いたのが、会計業界の流動性。SEより激しい。。
会計業界の方が全然、健全ですけどね。皆さん、働きますし。できる人に寄りかかるだけの人・そもそも仕事を放棄している人って、圧倒的に少ないですし。
とは言え、人は流される生き物です。みんなが転職に動けば、自分も転職しようと思ってしまう。
気付けば、「俺って何回目の転職?」となります。
転職をあまりに繰り返すと、転職先の評価が厳しくなります。
相手があなたを我慢できない人、と判断する可能性が高まります。そうすると転職しづらくなったり、報酬が下がったり。
短期間に転職を繰り返す場合、自分自身にも何らかの落ち度がないか、考えてみる必要もあるでしょう。
転職エージェントの注意点は?
次に、利用する転職エージェントにも注意しましょう。
体験談でお話した通り、45歳での転職活動の際、超大手から「お祈り」されてしまいました。
たぶん、その超大手のシステム的に「中年・未経験はNG」という縛りがあったんでしょうね。
転職先の業界にもよるのかもしれませんが、エージェントの報酬は、その紹介できた人の年収の3割程度とか言われます。
そうすると「中年・未経験」を相手した場合、成功の確度と報酬が割に合わないと、その超大手のシステム上は設計されていたと思われます。
一方、他の転職エージェントからは、たくさんの紹介を受けましたし、あっさりと転職できました。「中年・未経験」も相手にするシステムだったということ。
つまり、転職エージェントがターゲットとする層は、それぞれ異なるわけですね。必要以上に、超大手に拘る必要はありません。別に転職エージェントに転職するわけではありませんから。
だから、転職エージェントは、1社に限定せず、複数を同時で利用した方がいいでしょう。どうせ登録するにはタダですし(でも、職務経歴書は精査してから登録しましょう)。
(転職の本気度が低い場合、転職エージェントの複数利用には注意も必要です。大量に紹介されて圧倒されるかもしれませんよ。1社利用して反応を確認した後、2社目を検討すればいいでしょう。)
転職エージェント担当者の注意点は?
更に注意点ですが、転職エージェントの担当者にも注意しましょう。
クスノキの場合、「英語は苦手、やりたくない」と伝えていたのに、外資ばかりを勧めてくる担当者がいました。
彼にとっては報酬が第一で、相談相手のことなんか、どうでも良かったわけです。
全く的外れの転職先の提案を受けることもあるでしょうけど、気にしないことが大切です。
多くの転職エージェントに登録していれば、これでもかと紹介してくれるので、その中で吟味すればいいだけですね。
クスノキ主観のオススメ転職エージェント
ここでは、クスノキが実際に利用した転職エージェントについて記します。
REXアドバイザーズ
クスノキが転職した2社とも、こちらのお世話になりました。
REXは、会計特化(会計士・税理士・経理)で評判が良さそうだったので利用しました。
1回目はコロナ前だったからか、REX事務所で対面の面談がありましたが、面談までの手続きもスムーズ。
REXは求人情報をすごく持っていて、定期的に追加で提供してくれました。こちらの要望に拘り過ぎず、広く情報を提供してくれた感じです。
担当者が圧をかけてくるわけでもなく(会社の方針なのか、担当者のクセなのかは不明)、クスノキとしては助かりました。
人材ドラフト
こちらも転職2回ともお世話になりました。
結果的にはREXのお世話になりましたが、人材ドラフトの担当者の方も親身に対応してくれました。
クスノキの友人2名も人材ドラフトさんのお陰で転職してますし、いいエージェントではないでしょうか。
おそらくですが、こちらの要望に沿った求人情報を吟味して案内してくれているのでしょう。
その分、REXと比すると案内される量は少ないですが、おそらく「広く求人情報をください!」と言えば、多数案内して頂けたのかもしれません。
圧をかけるでもなく、親身に対応してくれたオススメのエージェントです。
ジャスネットキャリア
(実際の転職)2回目に利用しました(1回目に利用したかは覚えていません)。
利用したのは、会計特化(会計士・税理士・経理)で実績ありそうだったから。
結果的には、こちらは資料だけ確認する感じになってしまいました。
資料も提供してくれますし、圧をかけられることもなかったので、利用を検討していいのではないでしょうか。
本来は、若手・中堅でキャリアアップを目指す人(30代まで・キャリア数年以上)に向いているみたい。他のエージェントも概ね同じでしょうけど。
クスノキの場合は45歳を過ぎての利用でしたけど、ちゃんと普通に対応してくれましたよ。
【在宅勤務のパートをご希望の方へ】
ジャスネットキャリアでは在宅勤務パートのスタッフを募集していました。
会計事務所も人手不足ですし、働く側もリモートで働きたい人は一杯いますしね。
「会計事務所での就業経験が2年以上、または給与計算業務経験が3年以上」「フルタイムで就業中はNG」らしいです。
知識の裏付けもあるといいでしょうね。一般には簿記2級とかあると、会計事務所の方も声を掛けやすいですし。
リモート・パートで働きたい方は検討されてはいかがでしょう?
HUPRO(ヒュープロ)
こちらも2回目に利用しました(1回目は不明)。
ここも士業・管理部門に特化していて、評判が良さそうだったので登録。
ジャスネットキャリアさんと同様です。結果的には、資料だけ確認する感じになってしまいました。
資料も提供してくれますし、圧をかけられることもありませんでした。
確か転職完了後に電話ヒアリングがあったと思います。サービス・担当者の対応についてのヒアリング。
受ける側からすれば面倒だけど、こういう姿勢がないと企業として改善されませんよね。
そういう意味でいうと、転職エージェントとして信頼できるのではないでしょうか。
リクルートエージェント
実際の転職には結びつきませんでしたが、税理士試験合格後に2回お世話になりました。
会計事務所への転職の具体的なイメージが湧かない中、webサイトには充実した情報があって、1回目の担当者の丁寧な対応があって、すごく助かりました。
担当者が1回目(良い)と2回目(悪い)で対照的でしたが、担当者の問題はどこの転職エージェントでも起きますよね。
それに、良い・悪いは、見方それぞれです。
クスノキ視点であれば、「中年・未経験者」に丁寧に対応してくれた1回目の担当者が「良い」となりますが、
転職エージェント視点では、割に合わない求職者を切り捨てた2回目の担当者が「良い」のかもしれませんし。
超大手の安心感もありますし、オススメでしょう。
マイナビ税理士
こちらも有名なエージェントですね。一般に評判の良いエージェントです。
サイトには「税理士・科目合格者の転職」とある通り、会計業界に特化しているエージェント。
大手だけに十分な実績もあるでしょうから、求人情報も数多く保有しているはず。
また、税理士・科目合格者に限定しているだけに、専任のキャリアアドバイザーも業界特有のノウハウを持ち合わせているでしょう。
こちらも超大手の安心感があるだけに、登録を検討してみてはいかがでしょう?
MS-Japan
こちらは利用しなかったんですけど、評判のいいところ。
転職エージェント関連で検索すると、多くの比較サイト・おすすめサイトで登場しますね。
たぶん利用しなかったのは、税理士にできるだけ特化したエージェントを優先したから。
こちらは、税理士・経理職だけでなく、広く士業・広く管理部門を対象としたエージェント。特化しているけど、範囲は少し広いですね。
実績は十分あるエージェントですし、会計事務所にとどまらず、少し広めに管理部門を検討している人にはオススメかもしれません。
JAC Recruitment
こちらも紹介。YouTube広告で頻繁に見ます。
公式サイトを見ると「ハイクラス向けの転職支援に特化」していることがよくわかります。有名な企業名が紹介されていますね。
「ハイクラス・ミドルクラス」「エグゼクティブ・スペシャリスト」「高年収」「顧客満足度1位」あたりが前面にアピールされています。
かなり実績のある・評判の高い転職エージェントなので、多くの求人が期待できるのではないでしょうか。
専門特化でないのでクスノキは利用しませんでしたが、幅広く転職活動を考えている方は検討されてみるといいでしょう。
ハイスタ税理士
こちらはクスノキが転職活動したとき、ありませんでした。2022年11月のサービス開始のようですね。
母体は株式会社アシロ。元々は弁護士の業界に力を入れている会社です。
ハイスタ税理士は「税理士・科目合格者の転職に特化」とうたわれています。
ここまで特化しているのも珍しいですよね。「税理士科目合格者以上」まで限定しているのは。
新規参入で、弁護士でのノウハウは保有している分、十分に手厚いサービスを期待できるのではないでしょうか。
まとめ(未経験・45歳でも会計事務所へ転職できた!SEから転職した体験談と注意点)
未経験・中年がSEから会計事務所へ転職した体験談をまとめてみました。
未経験での転職・中年での転職には不安を抱える方も多いでしょう。
転職サイト・エージェントのwebサイト、YouTubeなどの転職に関する情報なども参考にして、転職市場が活況かどうか、把握しましょう。
また、これまでのキャリアを振り返って、転職エージェントとも相談して、転職先にアピールできるだけの充実した職務経歴書も作成しましょう。
転職にはリスクも伴いますが、うまく転職エージェントも利用しつつ、転職を検討してみてください!
そのときの転職活動に、この記事が少しでも役立ってもらえると幸いです。